相続した土地に農地があった場合

農業に従事していない方が、相続等で農地を取得することがあります。
通常農地を取得する場合は、農地法3条許可が必要になりますが、相続で取得する場合は、法律行為でないため、取得した農地の名義変更をするにも許可は不要となります。
ただし、誰かが亡くなり、その結果農地を取得する場合は、どんな時も農地法3条許可が不要かというと、そういうわけではありません。

相続等を原因とする取得の中で、農地法3条許可がいらない場合は


①配偶者・法定相続人(*1)が相続で取得する時

*1法定相続人とは
法定相続人とは、配偶者や血縁者など民法で定められた相続時に遺産を受け取る権利がある人のことをします。
法定相続には、被相続人(亡くなった方)との関係に応じた遺産相続順位が定められていて、先順位の方がいる場合、後順位の方は相続人になれない仕組みになっています。
法定相続人の遺産相続順位
第1順位 被相続人の子ども(子どもが先に亡くなっている場合は孫、曾孫といった直系卑属)
第2順位 被相続人の父母(父母が先に亡くなっている場合は祖父母、曽祖父母などの直系尊属)
第3順位 被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は甥姪)

②包括遺贈(*2)にて農地を取得する時

*2包括遺贈とは
個別の財産を特定せず、財産の全部又は一部を包括的に遺贈するのが「包括遺贈」です。
例:遺言者は、遺言者の有するすべての財産の5分の3を妻山田花子に相続させる

具体的に財産を指定して、遺贈するのを「特定遺贈」といい、特定遺贈の場合は、遺贈を受ける人(受遺者)が法定相続人の場合は、許可は不要ですが、もともと法定相続人でない方が、特定遺贈にて農地を取得する時は、農地法3条許可が必要となります。
例:浜松市中区○○の土地は、孫の○○に遺贈する。

法定相続人でない方あるいは、特定遺贈で農地を取得することになった方で、法定相続人でない方は、名義変更する際「農地法3条許可」が必要になりますのでご注意ください。

また、許可が不要の方でも相続、遺贈等で農地を取得した場合、「農地法3条届出」が必要になります。

詳しくはこちら「農地を相続した場合」

実際は、農業に従事していない方が、農地を取得しても持て余してしまいます。
浜松市では、「農地銀行」という制度があり、農地をお探しの方や売りたい・貸したい農地をお持ちの方は登録できるようになっています。
詳しくはこちら「農地銀行」

その他地域においても、耕作できない農地の管理については、地元の「農業委員会」にご相談することをお薦めします。

浜松市の女性行政書士です。
個人の方が士業に相談することは、なかなか心のハードルが高いかと思います。
今までの職務経験を活かし、親しみやすい法律家を心掛けております。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

お問合せ  053-571-7541(9:00~18:00)
メール    info@okamochi-office.com

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